空想犬猫記

※当日記では、犬も猫も空想も扱っておりません。(旧・エト記)

Spinning Song

Burgmüller 18 Characteristic Studies Opus 109 の18曲目。112 BPM で、ぜーんぶ半拍三連符である。単純計算で、1音に0.089秒。1秒間に11.2音出さなければならない。
これまで、頑張って練習してきて頂についたと思ったところの、最後の最後で地獄のような試練。2022年中に終わるだろうか。

なんて思ってたら、先日ショパンコンクールで入賞されていた小林愛実さんは、6歳で挑戦されてた…。( ゚д゚) ピアノ経験年数で言ったら同じく3年目くらいで挑戦しているので、肯定的にとらえるならば、愛実さんと同じペースで上達中ということだ。

実際のテンポで弾き切ろうという気概が流石です。

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YouTube で一番参考になったのはこの方の演奏でした。

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追記 2023-01-29

途方も無い地獄と思いつつ、3ヶ月練習して、なんとか 80BPM 程度で弾けるようになってきた。72BPM を過ぎたあたりで、新しい音楽性を獲得した感があり、80BPMに指がついていくようになってから何かが覚醒し始めて来た気がする。一つの音ではなくフレーズ単位でベクトル処理する回路が構築されていく感覚。112BPM はあまり現実的ではないかもしれないが、もう少し速く弾きたい。

気づいたこととしては11小節あたりのソとシのアクセント。アクセントの直後に16分音符で同じ音を弾くときも、50%から75%程度のアクセントをつけると、音が反響するような効果が得られて、カッコいい。13小節からのアクセントは、速く弾くことを意識すぎて16分音符のリズムが歪んでしまわないように気をつけて練習する。

19小節以降、再度、音数の圧倒的に少ない左手が曲をリードする。低音がきれいに響くグランドピアノで練習できたらかなり楽しいだろうナーと思いながら家のピアノでもきれいに聴こえるように音のバランスを探している。

March

Burgmüller 18 Characteristic Studies Opus 109 の17曲目。アルペジオの練習。4拍子で、半拍先に音が入って来てウキウキする。全体的に拍のとり方が分かりやすいので、四拍子の強拍・弱拍の考え方を理解するのに良い曲と思われる。録音で聴く以上に生演奏が映える。Parting、March、そして最後のSpinning Songは、それぞれ単調なのでセットで練習しようと思う。一通り覚えたら先に進む。

Parting は、大体狙った速度まで上がってきたが、正しいリズムで、144 BPM で引くのはかなり難しくて、2か月経って72BPMがやっとこさである。ただ、これまでの曲と違って、鍵盤をかなり広範囲に使う曲なので、これが弾きこなせれば、趣味のピアノも次の段階に進めるような気がする。

Parting

Burgmüller 18 Characteristic Studies Opus 109 の16曲目。2、3、4和音の連打で構成される音楽。連打の練習なのだろうけど、しっかりと音楽になっていて楽しい。

大体4小節ごとに区切ると A→B→A→B→C→B→C→B→D という構成になっている。弾けるようになるまでは早いけれど、指定の152BPMでとなると道程は長い。一通り弾けるようになったら、日々の練習項目の一つに加えて長く練習する必要がありそうである。

最初の5小節、クレシェンド、デクレシェンドが付いてから右手の音が変わるところで音楽的に区切り目が付かないよう、ワンフレーズで弾く。あとはリズムとスピートが命。楽譜的には4/4拍子だが、すべて三連符なので、超高速な3拍子の曲として捉えて、3音目を気持ち抜くように弾いたほうが上手に聴こえるかも。

疲れないクロール

家族が帰省して、しばらく一人暮らしの日々が始まった。一人でいるときは、一日のルーティーンを決めておくと心穏やかに過ごせるので、その一環として、夕食後にプールでひと泳ぎすることを習慣化した。

大体30分くらいかけて、1500m 泳ぐのが目標。このペースに到達するは平泳ぎでは難しく、ペースを守ってクロールを続ける技術が必要になる。今のところ編み出した技術は2つ、ひとつは呼吸法、もうひとつは上半身の使い方である。

呼吸法(呼吸のタイミング)

クロールをペースよく続けるには、基本、右手が水面から出るときに一緒に顔を出して息を吸う。初めのころは、あまり考えずに顔が水中にある時に何となくブクブク吐いて、顔を出したときに吸っていたが、これがとんでもなく疲れた。顔を出す前に体から空気を放出しすぎると、浮力が落ちて、水面に顔を出すために余計なエネルギーが必要になり、そのぶん体力を消耗するのである。

それを踏まえて編み出したのが次のリズムである。右手、左手のひと掻きを、それぞれ2拍ずつで4拍の運動と思うと、♩♩♪♩(テン・テン・テ・ホゥ)のリズム。最初の二拍、右手を掻いているときは息を止めて、左手が水面に上がっても体が沈まないように浮力を蓄えておく。で、左手が半分掻き終わって、右手が水面から出るちょっと前くらい、太字の「ヘ」のタイミングで息を吐いて、浮力を失って体が沈む前、最後の「ホゥ」のタイミングで息を吸う。このようにすると、私の体格だと浮力がちょうどよく調節でき、最も効率よく泳げる気がしている。

上半身を大きく使った腕の回し方(X泳法)

上記の呼吸法を取り入れる前は、呼吸のたびに水を掻いて浮力を生んでいた結果、推力も得てしまい、結果としてスピードが上がりすぎて消耗するという、スピードコントロールができていないという問題があった。呼吸法だけでもだいぶ改善したが、腕の回し方もひと工夫するとだいぶ楽になる。

それは右手は右から左下、左手は左から右下へと、X(エックス)を描くように泳ぐように心がけることである。そしてその際に上半身を大きくねじって、腕が一番高い位置に来るときには胸が横を向くくらいに大きく体を使うことで、体全体に運動の負荷を分散させるのである。また、ゆっくり、大きく水を掻くことにより、体力の消耗を抑えつつ効率的に推進力を稼げるような気がしている。

この泳法を取り入れてから、徒歩で歩くのと同じように、クロールでほぼ無限に泳げるように感じられるくらい体力の消耗を抑えることができるようになった。最適解というわけではないが、最適解に近づくためのアプローチとしては有効な泳法と思われる。

Sylphs

Burgmüller 18 Characteristic Studies Opus 109 の15曲目。 ト短調八分の三拍子、一音目が三連符になりがち。最初の一行(5小節)を音楽にするのに3日を要したけれども、最初の5小節のリズムと音を理解すれば、その先は少しずつ先に進めそう。

録音された音楽を聴くと単調で地味な作品に聴こえる。しかし実際の音の響きを感じながら弾くと、美しく、まさに精霊が舞い踊っているかのような曲である。その鍵は三連符をいかにクリアに響かせるかというところにありそう。

Song of the Gondolier

Burgmüller 18 Characteristic Studies Opus 109 の14曲目。13曲目の「The Storm」がまだ半分の速度でしか弾けるようになっていないけれども、煮詰まりつつあるので先に進む。黒鍵が多めなこと以外は、特に難しいところは無さげ。黒鍵はあまり使わないためハンマーが傷んでいなくて、白鍵よりも音が透き通って聴こえるような気がする。cantabile(歌うように)の指示がよく合い、あまり構えずにさらりと人に聴いてもらうには良い曲かも。

「歌うように」というのは、もちろん感覚で理解しても良いのだろうが、技術的にとらえることもできて、ようは「人間が歌う物理的制約を鍵盤上で再現して弾くことで歌っている感じに近い表現をする」ということと思われる。ここでいう物理的制約というのは、のどから音を出す仕組みであったり、筋肉を使って音階の上下をコントロールする仕組みなどである。例えば、低い音から高い音に駆け上がるとき、必然的に、肺から送る空気の量は変わらないのに対して、のど元は締められ、速度が上がって、必然的に大きい音になることだとか、またその逆も、自然の摂理として導き出される。また、離れた音に飛ぶ際には、のどの形状を変化させるための「溜め」のような一寸の間を挟まないと、「歌うように」とはならない。

てなことを考えながら弾くと、自然に聴こえるように弾くための補助線が引ける。うまくはならないかもしれないけれど、見当違いな弾きかたをすることは避けられることだろう。

The Storm

Burgmüller 18 Characteristic Studies Opus 109 の13曲目。最初にこの練習曲集を始める前には、想像を絶するほど超絶技巧に聴こえたこの曲も、ここまで来るとなんとかテクニックに分解可能になってくるから不思議である。The Pearls を始めたときに「ラスボスか」と驚いていたのが懐かしい。

本曲は、蓋を開けてみると、おそらく1,2,3 の指の練習、これまでに出てきたオクターブ奏法の練習も補う形になっている。実は、曲の構造もとてもわかり易い。A→B→A→B→C→C→A→D という構造。少しずつ分かってきたけど中間部分は平行調に転調していて最後は同主調ニ長調)に転調する。激しい天候と、嵐が去っていく変化が楽譜に現れていて素晴らしいと思った。特に中間部でCとFのコードが入って、嵐の中に突然、希望の塊のようなものが現れてくる。嵐の最中に、雲の切れ間から見えた太陽の光だろうか、なんて。個人的にはピアノのFの和音の響きがとても好きなので、このフレーズがこの曲の中で好きな部分である。

ただ、大雷雨を再現するには滅茶苦茶速く弾く必要があるので、基礎運動能力の強化&猛練習が必要。

一つの曲の中に物語(序破急)があるので、発表会向きかも。指が動けば弾けるので、お子様にもわかり易し。