空想犬猫記

※当日記では、犬も猫も空想も扱っておりません。(旧・エト記)

The Pearls

Burgmüller 18 Characteristic Studies Opus 109 の2曲目。音楽の構造を知る前に楽譜を見ると、今までにない32分音符の連なりに「いきなり城の外に出たらラスボス出現か!」と凍りつく。

しかし、そこにはしっかりとカラクリがあった。まずは32分音符を全部無視して演奏してみると、恐らく25の練習曲のどの曲よりも易しい。そして美しい旋律。つまり32音符は、数小節を除いてほぼ全て装飾だと思えば、何とか弾けそうな気がしてくる。リズムをしっかり取ることと、32分音符で音階を駆け上がる&下がるときに、5の指のスタッカートから1へのシフトをいかに自然に繋げられるかが課題。

単純な伴奏×単純な音階×ペダルによって、見違えるほど綺麗な曲になるという、ピアノの魔法を見た気がする。まさに Characteristic Studies。右手の鍛錬には良いがブラインドタッチや譜読みの練習にはならなかった。でもこれは初めて聴いた人にもわかり易く美しい曲なので、引き出しに入れておくと良いかなと思った。

  • リズム取りも、慣れると直感的にできる。右手で音階を駆け上がって行き、小指に到達したところでジャン、下がるときは親指でジャン、である。
  • 音楽は16小節目で半音を riten. で溜めて、17小節目で ff の最高潮に達するところがエモい。ただそのエモさを、いかに大人らしく洗練された音で包むかというのがオジさんにとっては課題。オジさんの脂汗は「真珠」に相応しくないのである。
  • 17小節で音の大きさが最高潮に達した後、緩やかに減衰して行き、21小節目でmf(小クレシェンド)、24小節目でpになる、その後、dimin. e dolce、26小節でpp。さらにさらに dimin. を経て27小節では初めてpppが出てくる。
  • さらに最後の3小節で、sf、f で完結するという急展開。

音楽の盛り上がりをクレシェンド、デクレッシェンド、速度、で表現する練習なのかな。