空想犬猫記

※当日記では、犬も猫も空想も扱っておりません。(旧・エト記)

Song of the Gondolier

Burgmüller 18 Characteristic Studies Opus 109 の14曲目。13曲目の「The Storm」がまだ半分の速度でしか弾けるようになっていないけれども、煮詰まりつつあるので先に進む。黒鍵が多めなこと以外は、特に難しいところは無さげ。黒鍵はあまり使わないためハンマーが傷んでいなくて、白鍵よりも音が透き通って聴こえるような気がする。cantabile(歌うように)の指示がよく合い、あまり構えずにさらりと人に聴いてもらうには良い曲かも。

「歌うように」というのは、もちろん感覚で理解しても良いのだろうが、技術的にとらえることもできて、ようは「人間が歌う物理的制約を鍵盤上で再現して弾くことで歌っている感じに近い表現をする」ということと思われる。ここでいう物理的制約というのは、のどから音を出す仕組みであったり、筋肉を使って音階の上下をコントロールする仕組みなどである。例えば、低い音から高い音に駆け上がるとき、必然的に、肺から送る空気の量は変わらないのに対して、のど元は締められ、速度が上がって、必然的に大きい音になることだとか、またその逆も、自然の摂理として導き出される。また、離れた音に飛ぶ際には、のどの形状を変化させるための「溜め」のような一寸の間を挟まないと、「歌うように」とはならない。

てなことを考えながら弾くと、自然に聴こえるように弾くための補助線が引ける。うまくはならないかもしれないけれど、見当違いな弾きかたをすることは避けられることだろう。