空想犬猫記

※当日記では、犬も猫も空想も扱っておりません。(旧・エト記)

Agitato

Burgmüller 18 Characteristic Studies Opus 109 の8曲目。176BPMの16分音符がひたすら続く曲。鬼畜、否、鬼教官。三分の一くらいの速さで弾けるようになってから徐々に目標のスピードに上げていく方針。

少しゆっくり目でも曲としては成立する感じはするけど、やはりこの曲は指定の速度で弾けるようになりたい。

この曲くらいの速度になるとは暗譜の仕方も新しい手法が必要で、小節単位の組み合わせで筋肉に覚えさせていく方法を試している。

約一週間くらい取り組んでみて、少しずつアプローチが分かってきた。

  1. 第一段階、譜読み。とりえずゆっくりでよいので、指定した指番号で最後まで弾けるようにする
  2. 第二段階、1拍の4つの16分音符のうち、3つ目がメロディラインを構成するので、3つ目の音だけを弾いて曲を覚える。ただ、だからと言って3つ目をぶっきらぼうに大きな音で弾かないように注意する
  3. 第三段階、メロディラインを強調して、その他の音を足していく。ここまで練習して分かってきたことは「16分音符がひたすら続く」のではなく「4分音符が拍をずらして4つ連なっている」曲としてとらえ、4つの音を並列処理すれば、不思議と指は動くということだ。それであっても第一段階は重要で、ひとつひとつの音のつながりもしっかりと表現できなければやはり耳には美しく聴こえない。このステージの練習を繰り返していると、ある時点で第一段階で習得したことが疎かになってくるので、時々最初のステップの練習法に戻って感覚を鍛えるなどの工夫も必要

満足のいく演奏になるにはまだまだ先は長いけど、道筋が見えてきた。

それを踏まえたうえで、難しいのが15小節の付近。ミの主音に、二番目の音がソソ♯ララ♯と半音上がって近づいてきて、レ♯に上がったところで、主旋律がシに下がって交差する。その際、左手のドミドミとも引き分けなければならない。まるで2つの曲を同時に弾いているかのような表現が必要になる。

3音目にアクセントのついた懇切丁寧な楽譜の動画があった。これは分かりやすい。ただ下降中のアクセントは楽譜中では間違っていると思っていて、ネット上の優れた演奏では、下降中に限っては、1つ目の最低音にアクセントを置いているように聴こえる。そのが迫力があってよいのではと思う。

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そして最後の4小節は、旋律は下降しつつ cresc. ed accel. と、加速しながら音量を上げていくという珍しい終わり方で、ピアノ=歌うというイメージを逸脱し、純粋に打楽器として弾く感覚。カッコいい。