空想犬猫記

※当日記では、犬も猫も空想も扱っておりません。(旧・エト記)

The Return

Burgmüller 25 Progressive Pieces, Op. 100 の 23 曲目。変ホ長調。「Barcarolle」(変イ長調)のフラットの森を2週間掛けて通り抜けてきた先にある曲であることを踏まえると、譜読みは容易い。和音が連打できてカッコいい。ここから先の3曲が、この曲集を始めるにあたって弾きたかった曲で、特に「The Return」は中盤の左手のアルペジオで音階を駆け上がるところが特に格好良いと思う。

1曲目に手を付け始めたときには無理ゲーにしか思えなかったが、半年経った今楽譜を見てみると「3日頑張れば通して弾けそうな難易度」くらいに見える。が、実際に弾いてみると和音の連打がガチャガチャしてしまって音が揃えるのが難しい。

気に入っているのは、迫力のある中間部から主題に戻るところで、主題の最初の1音だけsfで、2音目からppになっている。中間部と主題が非連続的に、波が砕けて多層的に被って繋がっているようなイメージ

このせわしない「帰途」そして最後の安堵感に当てはまるシチュエーション。小学校からの帰り道、ウンチが漏れそうでひとり、自分と戦いながら小走りで付いた「帰途」の記憶を重ねて弾いてみる。