空想犬猫記

※当日記では、犬も猫も空想も扱っておりません。(旧・エト記)

A Young People's History of the United States

2022年の積読消化2冊目。

アメリカ大陸の発見から建国、そして現在までを覇者の視座ではなくではなく「人々」の視点から描いた歴史教科書。「人々」の立場に立つことは良いことだと思いつつ、自分ひとりの生活の成り立ちを見ても、どちらかというと経済的には「あちら側」に依拠しているなど、自分が矛盾を抱えている現状に向かい合わされる本。

メインテーマとは外れるものの、大国(強者)が戦争を始める理由付けとして「先制攻撃された」ことを誘発したり、あるいは単にでっちあげること、権力者たちが自分たちの権力を維持するために国民の怒りを自己弁護できない集団に向けること、また弱者に対してした約束を結局反故にすること、この繰り返し。これらは時代を超えて普遍的な3つのことなのだと思われた。いまのところ。

これから先の歴史はどのようなものになっていくのだろうか。最終章の詩の引用に込められた筆者の祈りに答があると思いたい。

Rise like lions after slumber
In unvanquishable number!
Shake your chains to earth, like dew
Which in sleep had fallen on you ―
Ye are many, they are few!