To Explain the World
2022年の積読消化1冊目は、ワインバーグ博士の「To Explain the World」。物理学徒にはお馴染みの物理学の教科書を書いた先生による、物理学の歴史本。後半の science revolution 以降の話は馴染みのある話が多かった。それ以降の現代的な「物理学」成立する以前、物理学が哲学・宗教と分離されてなかった時代に先人たちが陥った誤り、足踏みの数々への言及が興味深い1冊であった。たぶん背景知識があって、楽しめる本なので、初学者が網羅的に学べる本では無いと思われる。
地球の中心が宇宙の中心ととらえる「信念」、惑星の周回軌道を真円と仮定する「信念」が、多くの先人を惑わせてきた。素人目に見ると、同じことが、おそらく現代のダークマターについても起こっていると考えるのが自然である。…という謙虚な視点で改めて物理学の歴史を俯瞰してみるのは、現役で物理をやる人々にとっても役立つことだと思う。