空想犬猫記

※当日記では、犬も猫も空想も扱っておりません。(旧・エト記)

妄想の秋 〜失われた時間

日記というものは、常に客観性を大切にしなければ意味がないという話をどこかで聞いたことがあるが、そういう意味において昨日の日記は非常に最悪で、むしろ気味悪いものがある。 推敲に費やす時間、考える時間帯、場所、によって人の心は大きく異なるものだと、今になるとよーーくわかる。 夜中に書いた恋文は決して出してはならないと、良くいわれる。夜の闇というのは、人間の感覚を一部麻痺させるものだと思う。 昼間の光は様々な物事の輪郭をはっきりと浮かび上がらせ、自分の体と外界にある隔たりはとても明らかなものに感じられる。 けれども夜の闇の中では、状況は全く逆だ。暗闇の中で、体の輪郭はおぼろげになり、外界との境界はあやふやになる。 おまけに眠気も加わって、もはや妄想に歯止めが聞かなくなってしまうのだ。不安な夜は天井に押しつぶされるんじゃなかろうかと思ったりするし、 変な期待で頭がいっぱいの時は寝返りばかりうつし、時として人間の創造性を掻き立てるわけではあるけれども、 日常生活においては、たいてい朝になって、その妄想に後悔するのが常である。ていうか僕はいつもそうだ。 ところが、である。最近自分の妄想が夜の闇を突き破って妄想族のごとく噴出する空間を発見した。
そこは総合図書館だ。当大学の総合図書館にはデスマスクやショパンの手首やらがおいてあるなど、 古今東西の人間の創造妄想の数々が静かに眠っている。 その怨念が我が身と共鳴してとてつもない妄想、一つ間違えば偉大な創造をもたらすのであろう…。 などと考えてみたところで、昨日の怪しい一人笑いの言い訳にはなりそうもないな。
すんげーおもしろいと思ったのにな、あの時は。総合図書館でさ。