空想犬猫記

※当日記では、犬も猫も空想も扱っておりません。(旧・エト記)

撮ったその場でプリントできるデジタルカメラ・シャオ(Xiao)

私は,裏方ながらもの作りに関心を持ち,携わり,自分自身もソフトウェアというモノを作っている。その原動力になっていることのひとつは,私が,人間の作り出したモノ(とくに,愛玩物ではなく実用的なやつ)に執拗に並々ならぬ愛着を持っているということである。

普段から「もしもの言わぬモノが,喋り出したら何を言うんだろうか」なんてことをよく妄想する。私の友人♀は,私と,ほぼ同時期に PowerBook G4 を買ったのだが,何度も落っことしたり,悲惨な目に遭わせて,スクリーンが歪んでちゃんとしまらなかったり,フレームが歪んでポッコリ膨らみができたり,キーボードのキーもいくつか無くなっているらしい。挙げ句の果てに「マックはハードが弱いよねー」とか言われる始末。「ハードが弱い」は完全に物理的な強度(対衝撃性能)を意味していたとは。

もし,彼女の PowerBook に,この CM のカメラみたいににょきにょき足が生えて,自由に動けるようになったとしたら,スタコラサッサと家出してしまうだろうな。国境を越えて,私のもとに現れて「オニーサン,助けておくれやんす。うち,もうだめどす」なんて言うかも知れない。私の PowerBook 君はもう3年以上,故障一つせず,フレームも歪まず,バッテリー交換のメンテナンスもしてもらって,日々知的生産物を量産しているからね。ちょっとファンがうるさくなってきたけど。8年前の白いiBookも,未だに無音Linuxサーバとして活躍中だったりする。

話があらぬ方向に行ってしまった。そんなわけで,カメラが喋るこのCMが好きだ。

でも,このカメラ自体は欲しくない。ゆとり世代団塊の世代の感覚は分からないが,だいたい我々の世代では「焼き増し」って,完全に死語でしょ。写真は今やデジタルフォトフレームやパソコン等のスクリーンで見る時代だから,ちゃんとJPGファイルを渡せたほうがいいと思うんだけど。撮ったその場で見て楽しむ,という刹那的な娯楽のためだったら,デジカメを手渡しして見ればいいじゃない。

むしろ,忘れるのは「あとで写真,メールで送りますから」のほう。標準サイズのUSBポートが付いてて,そのままUSBのスティックにコピーできれば,欲しいかなとは思う。で,いつもカメラの持ち主がUSBスティックを持ち歩いてて

「あ,これ貸して上げるよ,いつでもいいから,また今度あった時にでも返してくれればいいよ」

なんて感じで渡すわけ。写真数枚を入れるだけのUSBスティックなら,ゴミみたいな値段で手に入るだろうから,予め5個くらい,カメラのオマケで付けておくと。もしかしたら,そのUSBスティックがきっかけで,その人とつながりが持てるかも知れないよね。