空想犬猫記

※当日記では、犬も猫も空想も扱っておりません。(旧・エト記)

立ち読み

紀伊国屋で二冊立ち読み。いい迷惑だ*1

成り上がれ!

成り上がれ!


甲田英司さんについては,利用している情報のチャンネルが違うせいか,今まで一度も見聞きをしたことがなかった。ただあまりに表紙の写真が,いろんな意味で,いい感じだったので,ちょっと興味を持って読んでみた。この本はかなり面白い。お金や人に対する接し方や,使い方については,いままでに私が知り合ったカネモチ達に共通するものがあって,うーん,不思議なものだと思う。読んでみて「きっと,無菌室で育てられたエリートには受け入れられない存在なんだろうな」と思った。
働いたお金で前方後円墳を作って「1000 年後のヒーローになる!」という発想は好きだ。その表現はもの凄く幼稚に響くんだけど,その発想の根源には自身の「死」と向き合う積極的な姿勢があったりして,むむむ侮れないと思ったり。
この本には,あーしろ,こーしろ(あるいは,あーした,こーした),と分かり易い「答え」が沢山載っている。けれども,私が読んで良かったなと思ったのは,どちらかというと,そういう本の内容そのものよりも,この人がなんでそういう「答え」に行き着いたのか,その発想法を垣間みることができたという点かな。

アルゼンチンババア (幻冬舎文庫)

アルゼンチンババア (幻冬舎文庫)


立ち読みしていたら勢いで全部読んでしまった。「墓」とか「遺跡」という話が出て来て,微妙に上の本と繋がる。昔から読書感想文は苦手で,気の効いた感想は書けないんだけど,墓石職人,アルゼンチン,廃墟,遺跡,曼荼羅,出産,死,煩悩,と,物語の設定がとても良くできていて,それが短いストーリーに美しく料理されている。読み終わった後は「ああごちそうさま」という感じで,とても満足した気持になりました。

*1:でも別の本を二冊買ったから許して。