空想犬猫記

※当日記では、犬も猫も空想も扱っておりません。(旧・エト記)

文芸春秋

久々に何もない週末。いつも通り Costa Mesa の MITSUWA に行って書店を物色。文芸春秋六月号を買う。$11也。こちらに来て,本屋に大した理工書が置いていないためか,祖国愛の目醒めなのか,すっかり読む本のジャンルが変わって来た。文芸春秋もすっかり愛読者である。年配の方のためのオトナの雑誌だと思っていたのだが,これが思っていたより過激な内容で面白い。連載小説を除いてほぼ全ての記事に目を通すことにしている。
早稲田大学を退職して日本サイバー大学の学長に就任した吉村作治先生が,どう大学に懸ける思いを寄稿されていた。日本サイバー大学というのは講義が全てインターネットを使ったオンデマンド配信で行われるらしい。放送大学に毛が生えたようなものだと思う。エジプト考古学の先生がなんでサイバー大学なのか繋がりがよく分からないんだけど,でも新しい試みに名乗りをあげる頭の柔らかさは,流石だと思った。
衝撃的だったのは「特集:10年後の『団塊』」ではなくて,「ポスト小泉に介入を許すな − 日中戦争はもう始まっている」という記事。私のこれまでの人生では,この手の発言は大抵,右翼の妄言のように聞こえたのものだが,最近,にわかに勢いを増している気がする。中国当局の稚拙な外交と,反日デモ,工作員事件,東シナ海のガス田開発などの挑発的な行動(これだけは日本が一本とられている)などで,意識下に蓄積されてきた日本人の感情が,少しずつ表に出て来つつあることの予兆なのかも知れない。この記事は「武力行使はやむを得ない」とは流石に書いていないけど,言外で煽ってんじゃないの?と,つい疑いたくなってしまうような言葉の選び方だった。過激な表現を除けば賛成できる内容ではあったけれども。
それに関連して「媚中派大臣二階俊博の正体」もきな臭い。記者も認めている通り,何故媚中派なのか?という所は解明できていないものの,隣国の国家主席の言葉を刻んだ石碑を地元に建立しようとする大臣がいるとは驚き。この記事も反中がにじみ出ている。
続いては梅田さんのブログでも紹介されていた「“怪物”グーグルが世界を支配する」という記事。内容として目新しさはないんだけど「たけくまメモ」のたけくま氏に関して

一日平均一万二〇〇〇人。アドセンスからは月に一〇〇ドルほど入金される状況だった。

と,実際の金額が表示されていた。そんなもんなのか。記事の後半は「グーグルは公平か?」という章に始まりグーグル八分アドセンス狩りについて触れられていた。国を主体とした動きでは

こうした事態を懸念し,国独自の検索エンジンをつくろうという動きは,欧州を始め各国にある。実は日本でも「国産検索エンジン」のプロジェクトが経済産業省を中心にすすめられている。

との記述あり。たしかに Google の一人勝ちは,生理的に変な構造だと思うけど,そうかといって国産エンジンもいかがなものかと。どうすればいいんだろ…。ネットのあちら側でもこちら側でもない,P2P 型の検索エンジンがあれば解決するかな?
後は「数独」が世界中でヒットしてますよという記事。たしかにここカリフォルニアの書店でも大流行りだ。現在こちらで流行っている日本のものと言えば,クルマとSUUDOKU,この二つと言っても過言ではない。実は僕もニコリ社の初代「数独」問題集を,高校生の頃から十年来持ち歩いている隠れ数独ファンなので,こちらの書店でSUUDOKUを見た時にはたいそう驚いたものだ。こうやってジワジワと世界に広がって大ヒットになるケースもあるのだと感心。この時間感覚は覚えておこう。