空想犬猫記

※当日記では、犬も猫も空想も扱っておりません。(旧・エト記)

音入綺談

Officeのあるビルの廊下を歩いていると女性用トイレの木製のドアの内側から,ドンドンドンドン…と扉を叩く音。中から「help me〜」と誰かが叫んでいる。普通,トイレって外側からノックして,内側から返事をするものだけど,きょうに限ってはその立場が逆転だ。コンコンッ…とノックを返すと「Open the door〜」と叫ぶ声。そんなに元気があれば自分で空けりゃいいものを,などと思う私。
残念ながら私の想像力では,内側で何が起こっているのか当てることができなかった。おっかなびっくりで空けてみると,なんと内側のドアのノブが,すっぽ抜けてしまい空けられなくなっていた模様。
さて,内側のすっぽ抜けたドアノブをどうするか。そのまま内側に置いておいたら次に入った人が同じトラップにハマってしまう。それは避けたい。ちょっと考えて,片言の英語で「How about binding it here?」と,とりあえずドアの隙間に挟んで目立つようにしておくよう提案する。問題解決 in English。
帰り際に女性はそのすっぽ抜けたドアノブに向かって一言,「Welcome to my life」と,ちょっと演じるように呟いて去っていった。トイレに閉じ込められたくせに,何だかカッコいい。あーゆーかっこよさを身につけたいものだと思った。