ありのままの自分 (3)
ありのままシリーズの続き。
今週アメリカは Memorial Day の 3 連休である。時差ぼけもあって疲れていたため，ぐっすり眠るつもりで，ハイテク・マクラを購入。そしたら久しぶりにいろんな夢を見た。
高校生の頃に R・ファインマンの自伝を読んで夢に付いて意識的に調べてきたせいもあって，年々，よりリアルに，よりメタな夢を見るようになってきてしまった。自分の夢について，考えてみると以下のような特徴がある。
- 夢を見ている最中に夢であると気付くと「しばらく経ってから」強制退場
- 夢を見ている最中に自分の想像を超える展開になると即座に強制退場
- 夢の中で別の夢に何度も「目覚める」
- 凄く鮮烈な夢も，起きてすぐにメモらないと，その記憶は 5 分くらいで蒸発する
まず最初に，同じ夢を二度見た。
夢の終盤で，とあるアパートで用事を済ませ，階段を下りていく。二度目の夢は「次の日」という設定だったが，二度目の夢の途中で，それが昨日と全く同じ展開であることに気付く。「これはオカシイ」と思い，そこから小走りで階段を下りて，階下で待つと，昨日の自分が下りてくるではないか。僕の姿を見て，駆け出す昨日の自分。さらに追いかけて，ようやく一階でそいつと，その連れを捕まえて問いただす。
「いま，何日なんだよ！」
しかし何も答えない。ただただ，”これはやばい”という困惑と恐怖の表情を浮かべて，その二人は走り去ってしまった。運良く携帯電話がポッケに入っていたので，日付を確認してみたら，昨日と同日。つまり，やっぱり同じ夢だったのだ。何気なくその携帯電話を耳に当てると「ピーゴロゴロゴロ……」と，速周しで何かを喋っているような，バグッたメッセージが聞こえた。
どうやら，夢の世界がバグッた，という設定らしかった。
そこで目が覚める。そこは自分の部屋だが，何故か玄関のドアの前に寝ていた。昼過ぎのあたたかな陽気で「これは現実だな」と確認。試しにドアを開けてみると，地上2Fの部屋で，いつも通り階下に続く階段と，バックヤードの緑の芝生，そこで遊ぶ子供たちの姿が見えた。
安心して部屋に戻って，最初の部屋に目をやると，どうも視界がチラつく。ばあちゃん家のおんぼろテレビの映像を見ているようにしか見えないのだ。そのうち，RGB の R や G しか見えなくなり，「これは夢だな」と思う。そろそろ強制退場の予感がしたので，あわてて次の部屋も確認しておく。そこは6畳くらいの広さで，立派な本棚と机が置いてある一見書斎風の部屋であった。机のうえには紙がうずたかく積まれていたり，崩れて散乱していたりした。しかし，同じ部屋にも関わらず，窓から景色をみると，その部屋は地上6Fから7Fの高さがある。あきらかにおかしい。
「あきらかにおかしいぞ，こんな家！」
と思った瞬間。Tシャツの首根っことズボンのベルトを後ろからつり上げられるような感覚を覚え，徐々に宙ぶらりんにされていった。強制退場のサインである。こういうのに慣れっこの私は「マジか！」といいながらも，「これまた大胆な！」と思いながらも，大人しくそれに従うことにする。勝手にしてくれ，と。
しかし，今回はそこで目が覚めなかった。仰向けに根転がされ，その後，その世界を司るものが「おまえさんの健康に付いて，アドバイスしてやる」と言うのである。しばらく待っていると，壁のうえからスルスルとスクリーンが下りてきて，私に健康に関する全てのデータが表示された。どうやら一点だけ病院に行って検査しなければ大事に至る問題点があるらしいことを熱心に指摘しているのだが，何しろ早口なのと，それが中国語で書かれている為に，読めなかった。
そこで目が覚めた。そこにいた，母親と兄と，もう一人の知らない人に，今見た夢の内容を説明する。
夢を見たばかりだというのに，細部が思い出せずもたついていると，もう一人の知らない人は，興味が無さそうにそこを立ち去ってしまった。オーイ話を聞いてくれよ…，いや，そこで気付いたのだ。
「誰に向かって話してたんだ？何故，目が覚めたら親兄弟がいるんだ？」
そう，それもやっぱり夢だったのだ。それは夢の中でどんな夢を見たか説明するというメタな夢だったのだ。今度は静かに，その夢を退場することになった。
その夢を最後に，ようやく私は現実世界に戻ってくることができた。今度は起きてすぐにメモをとったけど，大半は失われてしまった。起きてすぐは，今の倍以上の夢を見ていた気がするんだけど。
こんな夢を見る私なので，結構，超常現象や，宇宙人，スピリチュアル系の話には寛容である。ただし，それらは妄想であるとした上でであるが。もう少し技術が進歩して，思ったことを簡単に「映像化」するツールが出来れば，面白いんだけどな。
私の夢に共通して出てきた「知らない連れ」「知らない人」「世界を司るもの」が何を意味しているのか，せめて，その謎を解いてみたいという思いもある。
ともあれ，これまでの経験から，夢を沢山見るときには，以下の共通点があるといえる。
- 寝過ぎ
- 体調不良
- 日中頭を使わな過ぎ
- 現実に退屈している
多分，今回は 2 か 3 か 4 のケースなのだろう。
もしくは，あまりに心地よい枕を手に入れたせいだろうか…。ちなみに私が買ったのは Memory Foam COOL Contour Pillow という $30 くらいの枕。すごい快適。いい夢が見られるかどうかはあなた次第。
