空想犬猫記

※当日記では、犬も猫も空想も扱っておりません。(旧・エト記)

ありのままの自分 (2)

もう少し,分析できそうな夢をもう一つ。スキーの夢。転ぶ夢は珍しい。

学部時代にスキーで複雑骨折をしている私は,最初のうちは一時期に比べると,すっかり丸く,おしとやかな滑りを心がけていた。板の感触は,近年のカービングのものではなく,中学・高校時代にアルペンスキーに本気で取り組んでいた頃の,がんばってしならせないと曲がらないような,レガシーな感触。カービングのようなキビキビとしたターンは出来ない。敢えていうならマリオカートのクッパのような滑り。でもそれが,心地よかった。雪は春先なのだろうか,ちょっと湿っぽい。小さい頃の,春スキーの思い出の場面だろうか。

と思っていたが,しばらく下ったところで斜面はその表情を大きく変えた。さっきまで柔らかくしっとりしていた雪が,完全に氷になり,辺りは冷たい刺すような風が吹き始めた。一緒に滑っていた友人は,変化について行けず,転んでしまった。私はというと

「思い出せ!これが自分がまさに得意だった斜面じゃないか!」

と自分に言い聞かせて,何とか乗り切る。しかし,その自己暗示がエスカレートして,グングンスピードを上げるギュンギュン景色が流れる。そのうち,その速度で,斜面を登り始めた。急斜面を一気に駆け上がって頂上に到達したところで,私が目にしたのは…。

そこで雪面はおわり,鉄板が露出していた。流石に接面の変化に対応できず,全中一回転で尻餅をついて,何とか止まった。

そこに貼り紙があるのを見つけた。
「ここは立ち入り禁止区域です。不法侵入した人は管理事務所まで届け出て下さい」
とのこと。事務所は目の前。中からはこちらを確認することができただろう。しかし,それを見たた私はそれでもなお,こっそりゲートをくぐることにし,まんまと元いた場所に戻ることができた。帰路は,うんざりするほど退屈であった。

ほんと,ふてぶてしくてタチが悪い。こういう夢を見ると,私は根本に反社会的な人格が潜んでいて,それにカバーをかけて生きているんじゃないかと,ときどき思ったりする。