空想犬猫記

※当日記では、犬も猫も空想も扱っておりません。(旧・エト記)

Barcarolle

Burgmüller 25 Progressive Pieces, Op. 100 の 22 曲目。私のように1曲目から全部弾いていくスタイルで、この練習曲に向き合う人にとって、これに続く最後の3曲はこの練習曲集の「最終試験」的な位置づけだと思っていて、その前の Barkarolle(舟歌)はそこにたどり着くための最後の難関だと言える。何が難解かというと「黒鍵の使用率」これに尽きる。遥か彼方にあるショパン舟歌」への、長い長い補助線だと思って練習する。

調号は変イ長調、ここへ来て♭マックス。本当は半音を含めて音感を磨いて曲を理解したいところだけど、とりあえずは、音符を鍵盤にデコードする練習に徹する。テンポがゆっくりなのと、左手の動きが比較的単調なのがせめてもの救い。

舟歌」というのはクラシックの1つのジャンルで、8分の6拍子が特徴のひとつらしい。6拍子は、2拍子と3拍子の両方のリズムを持っていて、一番せわしない気がするところが、波立つ水面の上を行く小舟の表現になっている。自然界の複雑さを、音楽にパッケージしたときに6拍子になるというのは、人間の自然に対する基本的な認知能力と結びついているような気がして興味深い。

あまり使わない黒鍵を使ったハーモニーがきれい。あまり使わないから、調律がより整ってるのだろうか。

(つづく)