空想犬猫記

※当日記では、犬も猫も空想も扱っておりません。(旧・エト記)

Ballade

Burgmüller 25 Progressive Pieces, Op. 100 の 15 曲目。タイトルの「Ballade」というのが大きすぎて、イメージが掴めなかったので、Webで検索してみた。

バラード - Wikipedia

19世紀には、フレデリック・ショパンによって、器楽曲の一種の作品名に転用された。ショパンのバラードは、古い歴史物語を詠んだ詩に基づいていることを暗示しており、この意味において、本来のバラードよりバラッドとの結びつきが強い。また、音楽史的には、幻想曲、即興曲の延長線上にある様式の曲と言うことができ、概して、音楽的に多種多様な楽想が物語風に展開され、それ故に形式は型がなく作曲者の自由な楽想が活かされており、長大で複雑な構成を呈し、夢のような美しい楽想から激情的な終焉へと向かう劇的な特徴を挙げることができる。その劇的な展開には、転調の妙技が最大限に活かされているのも大きな特徴である。また、悲劇的・破滅的に終わる傾向が強く、ハッピーエンドで終わるバラードは珍しい部類とも言える。ショパンによる全4曲の壮大なバラードでも、第3番のみハッピーエンドで、それ以外は悲劇的に終結している。

という情報を元に楽譜を読んでみると「劇的な展開」「転調の妙技が最大限に活かされている」といった特徴が見事に当てはまっている。つまり、ショパンが確立した「パラード」を、練習曲の難易度や世界観に合わせて作曲された曲が、この「Ballade」なのである(想像です)。

3ページあるが、9曲目の「Chase」と似た感じで、曲の構成は単純。A → B → B → (C) → A → (D) という感じ。 序盤の右手で和音の連打、左手で迫力のある旋律を弾くところが新しい。右手の音を抑えて弾くことを心がける。

ハ短調の曲調、この和音と旋律の響きは、じっさいにピアノで弾いてみるまで凄さが分からなかった。言い換えると、録音では分からない独特の迫力が実際のピアノの音に生じるのが分かった。自分の奏でる音楽に魔力が備わったような気がするくらい、カッコいい。

旋律の輪郭をハッキリとさせることと、それに合わせた和音の連打の音量の調整が一番の課題か。付属のCDの演奏は、p の旋律も、f に近い音量で始めている。絶対的な音量ではなく響きのバランスに合わせて音量を調節するべき、ということなのだろうか。

見たとおり楽譜は単純で、練習2日目には大体弾けるようになったものの、単調にせず、よい音楽していくためには課題が残る。付属のCDの演奏では旋律7に対して、和音の連打が3くらいの音量のバランス。ただ和音の連打を安定して弾くための最低限の音量があることを考えると、旋律は割りと大きめにして引き立てたほうが聞き応えのある音楽になるかも。

気に入ったところ1

49小節目。右手がレガートで、左手がスタッカート。クレッシェンドに躍動感が生まれる。

気に入ったところ2

中間部が終わり、おどろおどろしい最初の主題に戻るところに、最初の主題には無かった低いドの音が入る。あたかも「私はずっと居ましたよ」とでも言っているような。この一音だけで音楽が立体的になる(ような気がする)。