空想犬猫記

※当日記では、犬も猫も空想も扱っておりません。(旧・エト記)

Gracefulness

Burgmüller 25 Progressive Pieces の8曲目。これまでの7曲も自分の中では人前で引けるレベルに達していないけれども、いつまでも1つの曲ばかりだと特に初心者はスキルが育たないと思うので、次の曲に進む。

100 bpm の Moderato だけど、旋律は32分音符なので、単純計算で0.075秒に1音。これは The Clear Stream の三連符(0.11秒に1音)よりも、さらに速いということだ。今までで一番速い。楽譜を通して Burgmüller 先生のメッセージを受け取るならば、ここらでメカニカルな演奏技術をみっちりすべしということか。このシリーズを通して、1曲ごとが音楽として豊かだし、かつ初心者にとって新しいテクニックが無理のない程度に付け加えられいるので、個人的には1番から順番に、progressive に練習していくのが正しい使い方と感じている。

  • 32分音符は同じメロディの繰り返しで、1度、2度、3度とシフトしているだけであるが、半音があるので黒鍵の有無にバリエーションがある。転調のようなスキルの触りとも思える。不思議なことに何度も弾いていると感覚として分かってくる
  • 32音符の後の音が飛ぶ8分音符の練習も新しい
  • 左手の和音は、右手の演奏に合わせて変化するが、チロチロリンの後の8分音符を引き終わったときにどの和音に遷移するのか頭の中でイメージして準備しておくと音が上手に流れていく。ここは流れに身を任せ「感じる」聞き手と、流れを演出し「演奏する」弾き手で決定的に頭の使い方が違うところ
  • 付属のCDの演奏では前半の小節の最後のスタッカートを全部弾いていない。これは受け入れ難し
  • 前半、右手は、p から pp で、高速に弾く。今まで以上に正確な指の動きが必要。152 bpmアラベスクもまだ指が追いつかない程度だが、32分音符なので、アラベスクで言ったら 200 bpm で弾く計算になる
  • 後半は旋律が左右と移動。p から mf、f と、スタッカートの付いた和音の連打が入る。安定した和音の連打も、この曲で強調されているメカニカルの要素だと受け取った。

以上の構造を実際に弾く前に読み込んでおいたら、低速ではすぐに通して弾けるようになった。問題は 100 bpm で物理的に指が動くかという話。今のレベルだと、音楽的であることよりも、機械的にでも楽譜に忠実に弾けることを優先したほうがよいかもしれぬ。ハノンのスケールの練習にも励んだほうが良いかも。

ペダルも使わず、スタッカートを意識して楽譜に忠実だと思った音源はこちら

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