ビジョナリーカンパニー
- 作者: ジム・コリンズ,ジェリー・I.ポラス,山岡洋一
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 1995/09/29
- メディア: 単行本
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毎日トイレの中や子供の相手の合間に少しずつ読んで、ようやく読み終わった。ポイントはいくつかあるけど、ともあれ「企業理念」大事だよねという本。この本の面白いところは、具体例が沢山載っていて散りばめられていて、本論に沿って無数に小さな枝分かれができているところ。だから何べん読んでも想像力をかきたてられ、新しい発見がある。
これは個人的な体験だけど、就職して最初の2年間、日本にいたころの会社の特徴は、ビジョナリーカンパニーに書いてあるものに、よく似ていて、客観的に見ても優秀な会社だったと再認識。
この本は、理念を掲げる会社の中で働く際に、社員としてどういう風にそれと向き合うべきなのか、その組織で成功するにはどうしたらいいか、ということについても、自ずと明確な指針を与えてくれる。それは単純で、理念を理解して、それに正しく従うことだ。その行動原理は、冷めた人から「社畜*1」と蔑まれるものにも似ているようにみえて、全く違う。なぜならば屠殺されない家畜ほど幸せなものはないし、ビジョナリーカンパニーにおいては冷めてる人こそ負け組みなのである。
話変わって。
「理念」を理解し従うことで、その集団の中でうまくやっていく、というのは、社畜生活のみならず、世界中どこで暮らすにも必要な処世術であろうと思われる。私も色々な巡り会わせでアメリカに留まっているんだけども、アメリカというのは、建国の父たちから脈々と引き継がれている強烈な「理念」をもつ国で、冒頭の、たまたま手に取った切手のデザインなんかにも、それが現れている。
アメリカ生活における厳しさの中から込み上げてくる熱気のようなものは、ビジョナリーカンパニーのそれに似たものがあると思う。同様に、うざったさもそこには生じる。そしてアメリカの強さというのは、豊富な資源や広大な国土、圧倒的な軍事力などではなく、案外人々を動かす「理念」の力だったりするのかも知れないと思った。
*1:って言葉を使ってみたかっただけ