空想犬猫記

※当日記では、犬も猫も空想も扱っておりません。(旧・エト記)

大人の見識 (新潮新書)

最近は「〜の品格」だとか,偉そうなタイトルの付いた本が流行っているらしい。内容は軽いエッセー集なんだろうけど,とにかくそんなタイトルの本を有り難く読む人は,確かに品格が無いんだろうなぁ程度に思っていた(なので読んでいない)。

そういうのもあって,無遠慮な本書のタイトルも好きではないけれど,著者の名前で少し興味が涌き,最初のページを開いてみたら「老人の不見識 ─ 序に代えて」とあり,冒頭から「『大人の見識』について語れてと言われても無理ですよ」と断っている。これならば,読む価値があるかもと思って読んでみた。

大人の見識 (新潮新書)

大人の見識 (新潮新書)

日本人の見識,英国人の見識,そして孔子の見識。深くえぐられるようなことは書いてなかったけど,一面の真実はある内容だと思う。私も海軍好きだし。英国人の見識については,英国にかぶれた日本人の逸話を聞くまでもなく,英国を直接学ぶ方が良いだろう。それはそれで興味深くて,やるとして,次に日本人について探求すべきは明治より前の時代の日本人像なのかなと。

僕の感覚では,日本は,いや日本人は,世界の先進国の中で急速に遅れを取り始めている。思うに今まで世界の中で「進んでる/進んだ」と思っていた部分のうち,全てが日本人の実力なのではなく,実際は抑圧からの反動や,物理的にハングリー状況下で,実力以上の成果を上げてしまったと見るのが正しいのではないか。今は,まだ戦後復興のあぶく銭を掴まされているから優位に立っているような気がしているけれど,この先,共産主義に抑圧された10数億人と,さらにインド人の10数億が同じことをしようとしている。

恐らくそのときに人々は自分の本当の姿を知ることになるのだと思う。それならまだしも,その前に隣国に圧倒されて国が滅びやしないかと本気で危惧している。

たまに実家から電話があって母親と話をすると「ガソリンが安くなるから民主党に入れるよ。いいじゃない,そんなものだよ田舎は」なんて暢気なことを言ってるし*1。私より少し上はバブルの申し子で,下の世代は,例のゆとりだし,こりゃ本当に私達の世代が頑張らなきゃいけないのかなぁなんて思えてきます。

*1:でも,意外と日本人の本質は,お祭り好きなモナーなのかもと思うフシもあるです。おや?まさに軽躁なる日本人だね。