空想犬猫記

※当日記では、犬も猫も空想も扱っておりません。(旧・エト記)

旅立ちの朝

10:15浜松発。目的地は淡路島なので,比較的ゆったりペースである。サバイバル用品に加え,水2リットルと米6合を背負ってのツーリングは初の試みだったので,荷物はわりと多くなってしまった。昔オリンピックで買った3800円のテントが無駄にかさばっているのが問題。
東名高速〜名神高速〜阪神高速5号線〜神戸淡路鳴門自動車道明石海峡大橋)を経て北淡ICで降りた。多賀SAにて荷物の確認。淡路島到着は15:20。移動時間を見ればそれほど遠いところではないのかも知れない。明石海峡大橋は2度目だったので,それほど驚きもせず,淡々と走り続けた。
夕暮れまで時間があったので,野島断層記念館にて,阪神・淡路大震災の際に出来た断層を観察。ついでに震度7を体験する部屋があったので入る。壁が一面だけ取り除かれた(ドリフのコントのセットみたいな)部屋に7人ずつくらい入って地震を体験する施設なのだが,入ってみてすぐ後悔。心はウキウキしているのだがそれを表現する相手がいないのは歯がゆい。しかし一方で「ふーん」とすました顔で震度7の体験をしている姿もまた,確実に矛盾をはらんでいるのだった。
その後,島の西部から南部を一巡りし,慶野松原にあるキャンプ場を宿泊地に決める。次に淡路島南部にあるダートコースを走り,荷物が林道でも十分耐えられることを確認。夕飯は淡路島唯一のジャスコで芽昆布と茶碗蒸しを購入。さらに,野営用の食料としてチキンラーメン5個入りとガーリックライスの素,トマトリゾットの素を買う。チキンラーメン5個がかさばることに買ってから気づいてすこし後悔する。
その他にもいろんなキャンプ候補地を回ったため,慶野松原に着いたときには20時を回っていた。真っ暗闇の中でヘッドランプを付け,テントの設営,そして初めてのコッヘルでの炊飯に挑戦。薪と飯盒での経験から「はじめちょろちょろ…」を実践したが,しっかり芯を残した上に焦げ付かせる。最悪のrice。それでも水を足し,再度蒸らし,なんとか食べられるシロモノにして食べる。これは僕の放浪の旅の経験上そうなのだが,準備万端でスタートした旅行も,続けるに従っていろんな物を失ったり傷付いていく。「○○をなくす」とか「服が汚れる」とか。まさにそういう事態に備えていろいろな準備をしていく訳だが,最初の「傷」は「コッヘルのこげ」だった。僕はこの旅を終えるまでずーっとこいつとつきあっていかなければならないのだ。
小さい頃は暗闇が苦手で,一人で家の2階に上がれなかった自分だが,今では真っ暗闇の怪しい松林でこうしてひとりぼっちで炊飯をしている。ライトに照らされて青白く光る蜘蛛がカサカサとそこら中に歩いているが,気にもならない。夜道を歩くときに警戒する立場から警戒される立場になったのは何時からだろう…。
食事の後片付けをして寝袋に収まった時には22時を回っていたと思う。不規則な生活が続いている日常が抜けていないためか,眠くならない。今回旅に持ってきたさくらももこの「そういうふうにできている」を読みながら眠りにつく。この淡路の地で何故か妊娠した女性のメンタリティについて学習する。